動物を飼っている幼稚園も多いですよね。
うさぎ・ニワトリが主流でしょうが、なかにはヤギを飼っている園もあります。
年中・年長さんが交代で餌やりをしたり、水交換をしたりと、
子どもたちが世話係をしている幼稚園もあれば、
先生が全部世話をしている園もある。
自分たちで世話をした方が、より親しみを感じるとは思うけど、
でも、ただ園にいるだけでも子どもたちには良い刺激となるし、
動物を慈しむ心は養われていくと思う。
飼っていないからといって、動物愛護の気持ちが湧かないのかというと
もちろんそういう訳じゃないのだが、
もしかしたら、飼っている幼稚園の子と、飼っていない幼稚園の子を比べたら
前者の方が、蟻を殺す子は少ないのかもしれないね。
いきなりこの話題をしたのには訳がある。
実は、今日友達が「悲しいことがあった・・・」と落ち込んでいた。
「どうしたの?」と聞くと・・・
彼は放射能医学研究所で働いており、お猿さんの世話もしている。
仕事も有能らしく、彼の手にかかればお猿さんもタチドコロに懐くらしい。
オサルサン。可哀相だが実験動物である。
でも彼は、仕事だから仕方ないと思いつつも、相当、サルを可愛がっている。
上司から水を少量のみ与えるよう命令されていても、
「調教するのに、水を減らすのだけはやっちゃいけない。
水は生きるために絶対必要だ」
と、こっそり与えているらしい(笑)
餌もあまり与えすぎないように言われているらしいが、
「ついあげちゃうんだよね〜」とあげているらしい(笑)
ま、それでも仕事の腕は社内一らしく、
彼の右に出る者はいないと同僚も認めているので、別にいいのだが。
とまあ、そんな彼と、その上司が、ある実験を行った時の話。
(さっきから「彼」って書いてるけど、彼氏じゃなくて友達だからね)
サルの口から管を入れて肺の中を観察するという手順があったらしい。
彼がやればすぐなのだが、上司がやりたいとのことで、
本番は金曜だけど、月曜日に1匹のサルを使って練習したらしいのね。
で、練習時は彼が上司にお手本を見せたんだって。
順調に管は入り、抜けたのだが、
ただ抜く時にちょっとだけサルが「オエッ」ってなったらしいのだ。
別に問題はないんだけど、オエッとなるのは可哀相だから、
それを防ぐために、
最初に、ほんのちょっ〜〜〜〜とだけ麻酔を喉に一噴きさせてあげると、
オエッとならずに苦しまずに済みますよ、って
上司にアドバイスしてあげたんだって。
「シュ〜〜〜、じゃなくて、本当にシュッって、ほんのチョビッとだけ」
と説明したそうな。
で、本番当日。
上司がきて、いきなり喉に
シュッシュッシュ〜〜〜〜〜ッ
と麻酔を吹きかけたんだそうです。
「ちょっとでいいって言ったのに!
かけすぎるから舌にかかっちゃったんだよ!!!
信じられるかよ〜〜〜ッッッ」
と彼は怒り悲しみにくれていましたが、
私にはこれがどういう結果を生む行為なのか分からず・・・
聞くと『舌にかかった』が致命傷なんだって。
一瞬で麻酔が効き、力を失った舌は喉の奥に巻き込まれてしまい、
そのおサルさんは呼吸が出来なくなり、
心肺蘇生を試みたけど、そのまま息を引き取ったそうです・・・
研究所内でも一番愛嬌があり人気があり、
彼が一番可愛がっていたオサルサンだったそうで。
明らかに、
普段やっていないのに興味本位でやってみたくなった不慣れな上司が
アドバイスをちゃんと聞かずに素人並みに手を出した愚かさが招いた結果。
でも、それを指摘すると、
もう二度と仕事はもらえなくなる位にものすごい権力を持った人らしく、
誰も責めず、誰もミスを指摘できなかったそうです。
誰もが悔しい思いで、佇む中で、その上司が言った一言が、
また彼の神経を逆撫でした。
「あぁ〜〜〜、30万が・・・」
所詮、お金、な上司。
命ではなく、お金、な上司。
『お猿さん』ではなく『1体30万円の実験材料』な上司。
可愛がっていたお猿さんをあっけなく殺されたけど、
今後仕事ができなくなるので何も言えなかった自分、
そんな状況が、どうにもやるせなく悲しかったらしいんだよね。
その上司だって、子どもの頃は動物が好きだったはず。
今だって、動物が嫌いではないと思うんだよね。
でも、どうして「1つの命」として見てあげられないんだろう・・・
仕事だから、と言われればそれまでだが、
たとえ仕事でも、命は命。
もっと、慈しまなくちゃいけないんじゃないのかな。
どこで、変わってきちゃうんだろうね・・・
冒頭の、幼稚園で飼育されている動物話とは全く関係ないんだろうけどさ。
ああいう純粋さを大人になっても持っていられたらいのに、と思って・・・
その話を聞いていた時、友達の1人が言った。
「でもさ、動物が好きで日本に1つしかないあの動物学校に入って学んだのに、
やっている仕事は動物を実験材料にして殺すなんて、何か悲しいよな。」
なんか、私の事じゃないのに、ズキンときた。
落ち込んでいる彼に向かって、何てデリカシーのない奴・・・!!
そう思っていたら、すかさず彼が言い返していた。
「でもよ〜、動物が本当に好きだからこそ、
最期を看取ってあげられるだよな〜。
本当は獣医になりたかったんだけど、そこまで頭は良くなかったからさっ。
俺さ〜、猫アレルギーで、猫触ると目が痒くなるんだけど、
猫を見ると、つい触っちゃうんだよね〜。
アレルギーって分かってるんだけどさ。
やっぱ可愛いもんな〜〜」
なんか、ちょっとカッコイイなって思った。
動物好きなら、誰だって実験には使いたくないよね。
いろんな葛藤があるに決まってる。
動物好きで、
学生時代は動物の世話係として『動物奇想天外』にも出ていたらしいし。
ま、番組自体が、そこの学校に取材に行くってのもあるけど。
色んなジレンマ・葛藤があり、
使えない上司の存在に苛立ちつつも、
大事な部分は失わずに、人に惑わされずに、
誇りをもって仕事をしている姿勢が、ちょっとカッコよかったな。
(恋愛対象って意味じゃないよ。)
なんか、私も頑張らなくちゃな、って思いました。
PS:
夏休みに入りましたので、
今までと比べて子どもに関するネタがグッと減ると思います・・・
ごめんなさい〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夏休みが明けるまでは日記と化す可能性大ですが、
子どもネタがあれば優先記事として書いていきます。
暫くは物足りないとは思いますが、
何卒ご了承下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。
kindergartner