作品を定期的に持って帰る幼稚園もあれば、
その都度持って帰る幼稚園もあるし、
学期毎に持って帰る幼稚園もあれば、
年度末にまとめて持って帰る幼稚園もある。
その持って帰ってきた作品の中に未完成の作品があった場合、
親御さんはどう思うのだろうか。
「うちの子、終わってない・・・」
「やる事が遅いってこと・・?」
「作り方が分からなかったのかしら?」
「先生は、うちの子をよく見てくれなかったのかしら・・」
こんな声を聞いたことがある。
『作品』という『結果』しか分からない親御さんにしてみれば
こう考えるのはごく自然なことなんだろうなって思う。
親御さんが心配しないように、という考えを第一に置くのであれば、
何とか作品を完成させて持って帰らせてあげた方が親切だろう。
完成させる、というのは
子供の中に「できた!」という達成感が芽生え、
それが自信に繋がっていくという利点がある。
時間内に終わらせるように考えながら作業を進めていくという、
時間配分を考えるのもいい経験だと思うし。
でも、完成だけが全てじゃないっていうのも知っておいてほしいなー。
完成はしていないけど、
よく見ると塗り方がすごく丁寧だったり。
はみ出さないように、白い所が残らないように、色濃く塗れるように、
と集中して一生懸命塗っている子もいる。
完成はしていないけど、
よく見ると切り方がすごく上手になっていたり。
以前に比べて黒い線の上を切るのが上手になっていたりしてさ。
あぁ、ハサミを頑張ったんだな〜、とか。
完成はしていないけど、
その子なりに頑張った部分が隠れているはずだもん。
クレヨンの塗り方が上手になっていたり、
クレヨンの色使いが上手になっていたり、
いつもは赤ばっかりだったのに使う色が増えていたり、
糊付けが上達していたり、
ハサミが上達していたり・・・
なんでもいい。
頑張った部分を見つけて褒めてあげてほしいな。
作品の中に反映されていない頑張りもある。
例えば、折り紙の折り方が分からない友達がいたので、
教えるのに夢中になってくれて、
自分の作品には手が回らなかった、とか。
人のことより自分のことを先にやりなよ〜、とは思うけど
人のために一生懸命になれるっていうのも悪いことじゃない。
途中でハプニングがありやる気をなくしてしまった、
でも先生とのやり取りの中で意欲を少しずつ取り戻し、
やる気になったけど時間になってしまった、とか。
ハプニングを経験してそれを乗り越えるのも大事な経験ですし。
いつもは集中力があまりなくて、すぐに飽きてしまっていて
個人対応をしていたからある程度進んではいたけど、
今日は自分でやろうとする意欲があり、
手を貸さずに見守っていたら終わらなかった、とか。
作品の仕上がりとしては進んでいないけど、
意欲の面では比べ物にならない程進歩があったわけだ。
こう考えると、
作品が完成している完成していない、で判断するのは
勿体無いというか、そうじゃないって思いませんか?
その活動時間のあいだに、
必ずその子が頑張った部分がある。
作品に反映しているものもあれば、そうでないものもある。
でも、必ず頑張った部分はある。
そういう目で作品を見てあげてほしいな。
頑張りが作品に反映されていないと不安に思ってしまうだろうけど、
必ず頑張りはあるはずだ、という気持ちを忘れないでほしいなー。
心配なら担任に聞いてもいいと思う。
作品に反映されない頑張りを知りたいのなら
担任に聞くのが一番だから。
先生はちゃんと見てるからさ
完成した・してない、が全てじゃないってことよ。
一生懸命頑張る、ってことが素晴らしいんだから
結果よりも過程が大事、ってのはこういうことなんだね〜